📌 入札参加したいなら必須!経営事項審査の基礎と準備
- たまご行政書士事務所

- 10月29日
- 読了時間: 4分
お世話になっております、行政書士の前田です。
公共工事の入札に参加するための大前提となる制度が「経営事項審査(経審)」です。
「結局、経審って何をすればいいの?」
と感じている方に向けて、基礎から実務で役立つ準備のポイントまで詳しく解説していきます。
そもそも経営事項審査(経審)とは?
経審とは、建設業者の 経営状態や技術力、社会性などを客観的に点数化する制度です。
公共工事の入札に参加する場合、ほぼ必須の手続きとなります。
経審で評価される主な項目は次の通りです。
評価項目 | 内容例 | 点数割合の目安 |
経営状況(Y点) | 財務健全性 | 約20% |
経営規模(X点) | 完工高・技術者数 | 約60% |
社会性等(W点) | 建退共加入、法令遵守状況 | 約15% |
技術力(Z点) | 技術者の資格・実績 | 約5% |
※点数割合は目安
特にX点(完成工事高・技術職員数)の占める割合が大きく、業績が評価に直結します。
経審の結果は「総合評定値(P点)」として算出され、自治体や発注機関が独自に定めている基準を満たしているかどうかで入札参加の可否が決まります。
経営状況分析を受ける必要があります
経審の手続きは ステップが2つに分かれます。
① 経営状況分析(国土交通大臣登録の分析機関で評価)
② 経審(都道府県や地方整備局へ申請)
まずは経営状況分析からスタートします。
■ 経営状況分析でチェックされるポイント
・流動比率
・自己資本比率
・利益率
・キャッシュフロー
・資本構成の安定性など
財務諸表の内容がそのまま点数(Y点)に反映されるため決算前の準備が非常に重要になります。
「設備投資をするのは決算後がよい」
「借入金の返済計画を見直す必要がある」
こういった経営判断にも影響する制度です。
経審の申請が必要な理由
経審結果は
✅ 入札参加資格審査
✅ 等級(A級・B級など)の判定
に必須のデータとなります。
発注者側は経審の点数を見ることで、「この会社に工事を任せても大丈夫か」を判断します。
入札で最初にふるい落とされないための最低ラインを満たすことが求められる制度といえます。
経審の有効期限は「審査基準日から1年7か月」です
審査基準日(=直前の決算日の翌日)から 1年7か月間 が有効期間です。
例:決算日が3月31日の場合
審査基準日 → 4月1日
有効期限 → 翌年10月30日まで
≪注意したいポイント≫
・有効期限が切れると、入札参加資格審査(指名願等)の更新ができなくなる場合がある
・工事の入札時期によっては参加できないタイムラグが生じることがある
だからこそ「入札時期」と「経審の更新」をセットで管理することが重要です。
経審の手続きの流れ
以下の流れが一般的です。
決算変更届の提出(毎期必須)
経営状況分析を依頼
経審申請書の作成
都道府県または地方整備局へ申請
評点通知の受領
※財務諸表や技術者一覧など、様々な書類を整える必要があります。
特に、建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録状況や建退共加入状況も社会性の評価に影響。
近年はコンプライアンスがより強く求められています。
評価を上げるための準備ポイント
点数アップには、以下の改善策が効果的です。
≪W点アップ≫
建設キャリアアップシステム(CCUS)活用
建退共加入と適切な証明書添付
≪Z点アップ≫
技術者の資格取得支援
≪Y点アップ≫
決算対策(資産・負債整理等)
≪X点アップ≫
完成工事高の安定確保
特に、中小企業の場合はY点(財務状況)の改善が総合評価にも大きく影響することが多いです。
まとめ
✅ 経審は公共工事に参加するための必須手続き
✅ 経営状況分析からスタート
✅ 有効期限は1年7か月で、入札スケジュール管理が重要
✅ 財務面や人材面の改善で点数アップが可能
「うちはまだ小さいから関係ない」そう思っていた建設会社でも、補助金を活用した技術導入等により、公共工事を視野に入れるケースが増えています。
入札参加を検討されているなら早めに経審の準備を始めることをおすすめします。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。
当事務所のブログでは、今後「経審の各評価項目」を分かりやすく深掘りしてご紹介していきます。
どこに力を入れれば点数が伸びるのか、経営改善にもつながるポイントをお伝えしていく予定です。
ぜひ今後の記事もチェックしていただき、御社の経営力アップと許可維持にお役立てください。
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たまご行政書士事務所
行政書士 前田 礼央
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