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許可を失わないために。『欠格要件』のリスクと管理の重要性

更新日:9月17日


みなさま、どうもお世話になっております。行政書士の前田です。

今回はこんなお話し。

建設業を営む上で、国の許可は事業の信頼性と安定を左右する生命線ですよね。
この許可を取得・維持するためには、法律で定められた「欠格要件」を満たし続ける必要があります。

もしこれに該当してしまえば、許可が受けられないだけでなく、既に持っている許可も取り消されてしまう可能性があります。

今回は、この欠格要件とは何か、そして実際の事例を交えながら、そのリスクと管理の重要性について解説します。

「欠格要件」とは?事業継続を脅かす要素


欠格要件とは、簡単に言えば「建設業の許可を与えることができない、または取り消さざるを得ない」と国が定めた基準のことです。

これは、申請者である会社や個人事業主だけでなく、その会社の役員や重要なポストにいる人物も対象となります。

具体的には、以下のような状況が該当します。

法令違反・刑罰 
過去に建設業法や特定の法律(暴力団対策法など)に違反して懲役・禁錮刑を受け、刑終了から5年が経過していない場合

許可取消し・営業停止 
過去に建設業許可を取り消されたり、営業停止処分を受けている場合、またはその会社の役員だった者が5年を経過していない場合。

不正行為 
虚偽の申請など、不正な手段で許可を得ようとしたり、取得した場合。

経営状態の不安定さ 
破産手続開始の決定を受け、まだ復権していない場合。

判断能力の不足 
成年被後見人や被保佐人に該当する場合。

反社会的勢力との関係 
暴力団員など、反社会的勢力との関与が認められる場合。

これらのいずれかに該当すると、許可が受けられない、又は、既に持っている許可が取り消されてしまいます。
許可が取り消されると、原則5年間は再申請ができないため、事業に壊滅的な影響を与えかねません。

許可取消しは他人事ではない!実際の事例から学ぶリスク


実際に欠格要件に該当し、許可を取り消された事例は少なくありません。
いくつか代表的なケースを見てみましょう。

事例1:役員の刑事罰
建設会社の代表取締役が、個人の犯罪行為(詐欺など)で有罪判決(懲役刑)を受け、刑の執行終了から5年が経過していなかったため、会社としての建設業許可が取り消されました。個人の行為が会社全体の許可に影響する典型例です。

事例2:不正な許可取得
建設会社が、許可申請時に営業所技術者の要件を満たしていないにもかかわらず、虚偽の書類を提出して許可を取得。後にこの不正が発覚し、許可が取り消されました。
不正は必ず発覚し、厳しい処分が下されます。

事例3:反社会的勢力との関与
建設会社の役員が、許可取得後に暴力団関係者と密接な関係を持っていたことが判明。
建設業の公共性から、反社会的勢力との関与は厳しく断罪され、許可取り消しに至りました。

事例4:破産による欠格
個人事業主が事業悪化により破産手続開始決定を受け、許可更新時にまだ「復権」していなかったため、許可が失効または取り消しの対象となりました。
経営状態も重要な欠格要件の一つです。

これらの事例は、「知らなかった」「まさか」では済まされないリスクがあることを示しています。

もし該当しそうになったら?事業を守るための対処法


万が一、欠格要件に該当してしまったかもしれないと感じたら、迅速かつ適切に対応することが極めて重要です。

専門家への速やかな相談 
行政書士や弁護士など、建設業法に詳しい専門家にすぐに状況を相談し、正確なアドバイスを求めましょう。

事実関係の正確な把握 
何が原因で、いつから、どのような状況で欠格要件に該当したのか、事実を正確に整理しましょう。

会社の体制見直し 
役員が該当してしまった場合は、その役員からの退任や、組織体制の変更が必要になることがあります。

再発防止策の徹底 
なぜ該当してしまったのかを分析し、二度と繰り返さないためのコンプライアンス体制強化や、社内教育の徹底が不可欠です。


建設業許可は、社会からの信頼の上に成り立っています。
欠格要件のリスクを常に意識し、日頃から法令遵守を徹底することで、健全で持続可能な事業運営を目指しましょう。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございます!

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たまご行政書士事務所
行政書士 前田 礼央 

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