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【建設業許可29業種の羅針盤⑨】水道施設工事

お世話になっております、行政書士の前田です。

今回は水道施設工事業の許可について解説させていただきます。

建設業に携わる企業の皆様にとって、事業の成長と信頼性の確保は、常に重要な課題です。

特に、水に関わるインフラ工事を手掛けていらっしゃる企業様の場合、「管工事」と「水道施設工事業」という二つの許可業種が非常に近接しているため、その境界線や、許可取得のための具体的な要件について、正確な理解が求められます。

「どちらも配管工事だから」と安易に判断してしまうことは、行政指導のリスクを招く原因となり得るほか、本来貴社が受注できるはずの公共性の高い工事のチャンスを逸失することにも繋がりかねません。

この記事では、建設業許可に精通した行政書士として、この二つの業種の決定的な違いに加え、実際に「水道施設工事業」の許可を取得するために欠かせない「営業所技術者の資格要件」についても、詳しく解説させていただきます。

「水道施設工事」とは何か?社会の基盤を支える重要な役割


この業種は、私たちの日常生活に欠かせない公共インフラの中核を担う、極めて重要な工事を対象としています。

「水道施設工事業」とは、具体的に、主に公道の下に埋設されている上水道や工業用水道の取水・浄水・配水といった一連の施設(本管など)、または公共団体が設置する下水道の処理施設を建設・築造する工事を指します。

この業種に含まれる具体的な工事例としては、

都市の水の供給拠点となる浄水場や配水場における、主要な設備や構造物の設置工事。

公道の下で、各地域に水を送るための本管(導水管、送水管、配水管)を新たに敷設したり、老朽化した管の入れ替えを行ったりする工事。

環境保全のために重要な、公共の下水処理場における水処理のためのポンプ設備や機械設備の築造工事。

などが挙げられます。

重要なポイントは、これらの工事が「公道下」という公共の領域で行われること、そして「行政が管理するインフラの基幹部分」に関わるという点です。

混同しやすい「管工事」との決定的な境界線


多くの企業様が判断に迷われるのが、「管工事」との線引きです。

この二つの業種を区別する最も大切な判断基準は、工事が「どこ」で行われるか、すなわちその地理的な境界線にあります。

水道施設工事業は、主に公道下で行われる、水道の「本管(幹線)」や「浄水・処理施設」といった公共インフラに関する工事を対象としています。

対照的に、管工事業は、公道から分岐した後の領域、具体的には宅地内や建物内部で行われる、冷暖房、給排水、給湯、ガス管、空調設備といった、日常生活に直結する屋内・宅内の配管設備に関する工事が中心となります。

具体的な工事を場所で区分してみましょう。

公道の地下に水道の本管を新設・交換する工事は、水道施設工事業に該当します。

その本管から分岐させ、個人の住宅の敷地内に給水管を引き込む工事は、通常、管工事業に該当します。

住宅やビルといった建物内部で、給排水管や空調ダクトを設置する工事は、明確に管工事業となります。

もし貴社が現在「管工事」の許可のみをお持ちの場合でも、元請け様からの依頼で「公道下の本管接続工事も一括で」と求められた際は、その公道下で行う部分の工事は「水道施設工事業」の許可が必要となる可能性が高いことを、ぜひ深くご理解いただきたいのです。

貴社の事業範囲がこの境界線に触れる可能性がある場合は、リスクを回避し、事業の可能性を広げるためにも、両方の許可を取得されることを強くお勧めいたします。

【重要】許可取得に欠かせない「営業所技術者の要件」


「水道施設工事業」の許可を取得するためには、経営の体制はもちろん、営業所ごとに必ず配置しなければならない営業所技術者の要件を満たすことが必須となります。

ここでは、一般建設業許可を取得するための主な資格要件についてご説明いたします。

専任技術者として認められるには、大きく分けて「資格」と「実務経験」という二つのルートが存在します。

≪資格によるルート≫
以下のいずれかの国家資格をお持ちの方がいらっしゃる場合、原則として要件を満たすことができます。

一級土木施工管理技士

二級土木施工管理技士(種別:土木)

技術士(上下水道部門または総合技術監理部門のうち、上下水道に係るもの)

給水装置工事主任技術者

下水道排水設備工事責任技術者

特に「給水装置工事主任技術者」や「下水道排水設備工事責任技術者」といった水道関連の資格は実務に直結しますが、これらの資格だけで「水道施設工事業」の専任技術者になれるかどうかは、自治体によって判断が分かれる場合があります。

そのため、二級土木施工管理技士(土木)は、この業種の技術者として認められやすい、確実な資格の一つとして推奨されます。

≪実務経験によるルート≫
指定された資格をお持ちでない場合でも、規定の「水道施設工事業に関する実務経験」があれば、専任技術者になる道が開かれます。

高校の指定学科(土木工学科、衛生工学科など)をご卒業されている方は、卒業後5年以上の実務経験が必要です。

その他の学科をご卒業された方、または学歴がない方は、10年以上の実務経験が必要です。

実務経験を証明する際には、単に期間が長いだけでなく、その経験が「水道施設工事業」に該当する工事内容であったことを、契約書や請求書などの客観的な資料によって証明することが求められます。

まとめ:水道施設工事業の許可は「社会の信頼」と「未来の安定」を築く証


この許可は、地域の公衆衛生と、社会の安定を根底から支える、極めて重要な役割を担う企業として、国や自治体から正式に認められたことを意味します。

水道インフラというライフラインを担うことで、貴社の社会的信頼度は最大限に高まり、公共性の高い安定した事業領域へ進出するための確かな基盤が築かれます。

許可取得は複雑なプロセスを伴いますが、その労力は、未来の社会基盤を築く企業としての揺るぎない競争力と、永続的な事業の安定として必ず貴社に還元されます。

この重要な一歩を、私たち行政書士が全力でサポートさせていただきます。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございます!

建設業許可に関するご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

皆様の事業がさらに発展するよう、行政書士として全力でサポートさせていただきます。

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たまご行政書士事務所
行政書士 前田 礼央
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