♻️積替え保管の許可基準と、現場で多い“認識違い”のポイント
- たまご行政書士事務所

- 11月14日
- 読了時間: 3分
お世話になっております、行政書士の前田です。
今回は、多くの許可業者さまから相談の多い 「積替え保管」 について解説します。
「うちは積替え保管はしていないから関係ない」
とおっしゃる事業者さまも多いのですが、実務では “知らないうちに積替え保管に該当してしまう” ケースが後を絶ちません。
行政処分の原因としても頻出する分野ですので、ぜひ一度ご確認ください。
積替え保管とは?
収集した産業廃棄物を、最終的な運搬先に送る途中で一時的に保管したり、別の車両へ積み替えたりする行為をいいます。
場内に下ろす(荷下ろし)→アウト
一定時間置いておく→アウト
車両を乗り換える→アウト
これらはいずれも「積替え保管」に該当し、積替え保管の許可を持っていないと違反扱いとなります。
積替え保管の許可基準(ポイントだけ押さえた実務版)
①施設の構造基準を満たすこと
屋根・側壁の有無
床面のコンクリート舗装
飛散防止、流出防止措置
排水処理設備
特に多い指摘は、「仮置き場として借りた倉庫が、実は構造基準を満たしていなかった」 というケースです。
②周辺環境への配慮(生活環境影響の審査)
周囲の住宅・学校との距離
臭気・騒音・粉じん
車両動線の安全性
自治体によって判断は異なりますが、“生活環境の悪化のおそれがないか” が大きな審査軸となります。
③適切な管理者の設置
管理者の選任
保管量・保管期間の管理
出入り管理、搬入搬出記録
多いトラブル:「現場スタッフに積替え保管の概念が浸透しておらず、管理者不在で運用していた」
④許可取得後の継続的な管理
月ごとの保管量の帳簿
施設の点検記録
委託契約書の内容と合致しているか
積替え保管施設は、更新時に写真や図面の再提出を求められる自治体が多く、“最初に許可を取った状態から勝手にレイアウトを変えていた” というのもよくある指摘です。
現場で本当に多い“認識違い”のポイント
①「車両から別の車両に移すだけなら積替え保管ではない」? → ×
車両同士の積替えでも「積替え行為」に該当します。
敷地内であれば、必ず積替え保管許可が必要です。
②「一時的に置いただけだから積替え保管ではない」? → ×
一時的であっても、地面・床に一度でも下ろせば“保管”に該当します。
(30分置いた、1時間だけ置いた…時間は関係ありません)
③「作業場の隅に置いているだけで施設として登録していない」 → ×
積替え保管を行うには、施設そのものを図面で申請し、許可書に記載される必要があります。
“棚の裏にこっそり置いていた”
“フォークリフトで数時間置いていた”
このあたりは行政指導につながりやすいです。
④「排出事業者から委託されていないものを一時的に預かった」 → ×××
非常に多い違反例で、
・委託契約なし
・許可なし
・保管場所も未登録
という“三重違反”になりかねません。
行政書士としての現場実感
私が許可業務で現場確認をする際も、事業者さまは「うちは積替え保管はやっていないですよ」とおっしゃるのに、実際には…
掃除目的で床に下ろしていた
荷物を入れ替える作業をしていた
夜間に車両を乗り換えていた
…というケースが非常に多いです。
“積替え保管をしているつもりがないのに、実質的にはしていた”というミスを防ぐためにも、一度ルールを確認しておくことをおすすめします。
まとめ
積替え保管は、許可を持つ・持たないの判断が事業停止処分に直結する重要ポイントです。
「知らずにやっていた」が最も多い違反ですので、自社の運用が許可の範囲内かどうか、今一度ご確認ください。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。
たまご行政書士事務所
行政書士 前田 礼央
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