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♻️特別管理産業廃棄物収集運搬業とは|通常産廃との違いと許可要件を行政書士が解説

お世話になっております、行政書士の前田です。


これまでの記事では、産業廃棄物収集運搬業許可の概要から、実際の許可取得の流れまでを解説してきました。


今回はその中でも、より厳格な管理が求められる「特別管理産業廃棄物収集運搬業」について、現場での視点も交えながら詳しく解説していきます。


特別管理産業廃棄物収集運搬業とは


「特別管理産業廃棄物(特管産廃)」とは、通常の産業廃棄物の中でも毒性・感染性・爆発性など、人の健康や生活環境に著しい被害を及ぼすおそれがある廃棄物を指します。


たとえば、病院などで発生する感染性廃棄物や、工場から出るPCBを含む廃油・廃酸などがこれに該当します。


このような危険性の高い廃棄物を安全に運搬するためには、通常の産廃収集運搬許可とは別に、「特別管理産業廃棄物収集運搬業許可」を取得しなければなりません。


廃棄物処理法第12条に基づき、各都道府県や政令市が管轄しています。


通常の産業廃棄物との主な違い


通常の産業廃棄物収集運搬業との大きな違いは、安全管理体制と取扱責任の重さです。


以下のような点で、許可・運用ともにより厳格な基準が求められます。


廃棄物の危険性に応じた専用容器・車両構造(密閉型、漏洩防止措置など)


特別管理産業廃棄物管理責任者の設置


作業従事者への特別管理講習修了が必要


マニフェスト伝票(管理票)の様式や記載内容が異なる


特管産廃は、万一の事故や漏洩が発生すると重大な環境汚染・行政処分につながるため、許可要件の段階から安全性と管理体制が厳しくチェックされます。


特別管理産業廃棄物の種類と具体例


特管産廃には、以下のような種類があります。


感染性廃棄物

医療機関などから出る注射針、血液付着物、手袋、ガーゼ類など


特定有害物質を含む廃油・廃酸・廃アルカリ

重金属、PCB、シアン化合物を含むもの


廃PCB・PCB汚染物

トランス、コンデンサーなどの絶縁油に含まれるPCB


有害性の高いばいじん・汚泥

焼却炉からの飛灰など


これらは通常の運搬と異なり、密閉・遮断構造を備えた車両や容器を使用しなければなりません。


また、運搬経路も慎重に設定し、積み込みや荷下ろしの際には飛散・漏洩防止措置が必須です。


許可要件と必要な体制


特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可を受けるためには、以下のような要件を満たす必要があります。


特別管理産業廃棄物管理責任者の選任

→ 公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターなどが実施する「特別管理産業廃棄物管理責任者講習」の修了が必要です。


専用車両・容器の設備要件

→ 廃棄物の性状に応じて密閉構造、耐薬品性容器、吸収マット設置などの仕様を備えること。

適切な保管・運搬体制

→ 車両点検記録や作業手順書、緊急時対応マニュアルを整備すること。


法令遵守・財務要件

→ 欠格要件に該当しないこと、過去に処分歴がないこと、経営基盤が安定していること。


現場では、特管産廃の許可を取る前に、すでに通常の産廃許可で使用している車両を流用できるかを確認するケースが多くあります。


しかし、多くの場合は構造要件を満たさないため、車両の新規登録や改造が必要になる点に注意が必要です。


通常の産廃収集運搬許可との比較:必要な書類・資料の違い


通常の産廃許可申請と比較すると、特別管理産廃では以下のような書類・資料が追加で必要となります。


特別管理産業廃棄物管理責任者の講習修了証写し


車両構造図・容器仕様書(密閉性・漏洩防止構造を示す)


緊急時対応マニュアル・安全管理計画書


運搬経路図(危険物を考慮したルート設定)


作業従事者の教育訓練記録


行政庁によっては、これらに加えて現場写真や車両点検記録簿の提出を求められる場合もあります。


つまり、単に書類が増えるというよりも、「安全管理体制を可視化できるか」が審査の焦点になります。


実務的な注意点と申請時のポイント


現場感覚で言えば、特管産廃の申請では「設備」よりも「体制」の整備不足でつまずくケースが多い印象です。特に、


責任者講習の修了証が未取得


実際の運搬経路と書類上の経路が異なる


漏洩防止措置の写真不足


などの理由で補正指導が入ることがあります。


また、通常の産廃と特管産廃の許可を別々の時期に申請すると、行政庁によっては再度同じ資料を求められることもあります。


そのため、できる限り同時に許可を取得するのが効率的です。


まとめ:危険性の高い廃棄物こそ、確実な管理体制を


特別管理産業廃棄物の運搬は、事業者の責任が非常に重い分野です。


許可申請時の書類整備だけでなく、日常の運搬・教育・点検までを含めた「安全管理体制」を整えておくことが、最終的な信頼と継続的な許可維持につながります。


現場での対応経験を持つ行政書士として、単なる申請書作成にとどまらず、体制づくりからサポートいたします。


特管産廃の許可を検討されている事業者様は、ぜひ一度ご相談ください。


今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。


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たまご行政書士事務所

行政書士 前田 礼央

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