♻️ 許可取得後に意外と知られていない“遵守事項”まとめ|行政書士が実務から解説
- たまご行政書士事務所

- 11月27日
- 読了時間: 4分
「許可が取れたら終わり」ではありません!
お世話になっております、行政書士の前田です。
産廃収集運搬業の許可を取得されたお客さまと話していると、「これでようやく一安心です」と言われることがよくあります。
もちろん許可取得は大きな節目です。
ただ、その後の運営業務で“意外と見落とされている遵守事項”がいくつもあり、実際に行政指導の対象になってしまうケースも見てきました。
今日は、許可取得後に特に注意していただきたいポイントを、現場の相談例も交えながらお伝えしていきます。
車両に関する遵守事項|表示・許可証の写し・増車減車の届出
まず最も多いのが、車両関係の見落としです。
許可番号や事業者名の表示義務はご存じの方が多いものの、
「マグネットが知らないうちに外れていた」
「昔の許可番号のまま貼っていた」
というケースが少なくありません。
車両を使う以上、表示は常に“見える状態”であることが求められますので、定期点検をしておくと安心です。
また、車両には許可証の“最新の写し”を備え付ける必要があります。
原本は事務所で構いませんが、写しが古いままだと現場確認で指導されることがあります。
さらに、増車・減車を行った際の変更届も頻繁に忘れられます。
特に増車は「使用開始前」に届出が必要な自治体もありますので、車両導入のタイミングで手続きの段取りを確認しておくことが大切です。
書類の管理義務|マニフェストの保存・委託契約書の更新漏れ
次に多いのが、書類管理に関する遵守事項です。
マニフェストは紙・電子にかかわらず、5年間の保存が義務付けられています。
「電子マニフェストだから自動保存される」と油断される方もいますが、実際には紐づけ漏れや報告未了などのトラブルが起きるため、年度ごとの確認が欠かせません。
委託契約書についても、長期間見直されないまま使っているケースをよく見かけます。
処理業者が変わったり、中間処理に回す流れが変わった場合など、本来は契約内容を更新すべきシーンが何度も発生します。
更新申請のタイミングで「契約内容が実態とずれている」と指摘されることもあるため、定期的な見直しをおすすめします。
事業者情報の変更届|代表者・商号・住所などの変更は“すぐに届出”
許可取得後に意外と忘れられるのが、会社情報の変更届です。
代表者変更や商号変更、事務所移転などがあった場合、多くの自治体では“変更後10日以内”に届出が必要です。
忙しい時期ほど後回しにされがちですが、届出を出していないと更新申請がスムーズに進まず、余計に手間が増えてしまいます。
変更届は「後でまとめて」ではなく、「変更したらすぐ」が鉄則です。
業務内容に関する遵守事項|積替え・保管の扱いとドライバー教育
運搬業務の中で特に注意したいのが、積替え・保管に関する取り扱いです。
現場では「少し置くだけだから」「一時的に積み替えただけ」と軽く考えられがちな行為でも、行政から見れば“実質的な積替え保管”に該当することがあります。
積替え保管には別途許可が必要ですので、運搬ルートや作業内容によっては想定外の違反状態になってしまうことがあります。
また、ドライバーへの教育義務も忘れられがちな項目です。
産廃の性状や危険性、緊急時の対応などを理解してもらうことは、事業者の責任の一部です。
教育内容を記録として残しておくことも求められていますので、社員・外部ドライバー問わず、定期的な教育体制を整えておくことが望ましいです。
許可の維持管理|有効期限の把握と入札での注意点
許可は取得して終わりではなく、5年ごとに更新が必要です。
特に入札や新規契約のタイミングでは、有効期限切れがそのまま契約不可につながるケースもあり、事業上の影響が非常に大きくなります。
更新期限が目前になって焦らないためにも、事前にスケジュールを管理し、余裕を持って準備を進めておくことが重要です。
まとめ|遵守事項は意外と多いからこそ“定期チェック”が有効です
こうして見ていくと、許可取得後に守るべきことは決して少なくありません。
「知らないうちに不適切な状態になっていた」というご相談も非常に多いのが実情です。
日頃の業務が忙しい中すべてを把握するのは難しいかもしれませんが、定期的な点検を行うことで、行政指導やトラブルを未然に防ぐことができます。
不明点や不安がある場合は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
実務経験にもとづき、現在の運用状況に合わせた改善提案も可能です。
ご提案いたします。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。
たまご行政書士事務所行政書士 前田 礼央
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