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♻️委託契約書・マニフェストの実務(作成・運用のポイント)

お世話になっております、行政書士の前田です。


今回は、産業廃棄物収集運搬業の「委託契約書」と「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」の実務について、解説していきます。


産廃実務でトラブルが最も多いのが、実はこの「契約書」と「マニフェスト」です。


許可を取って終わりではなく、これらの書類運用が正しくできていないと、行政指導や改善命令、さらには無許可営業扱いになることもあります。


「ここが分かりにくい」「間違いやすい」というポイントを中心にまとめましたので、ぜひ実務の改善にご活用ください。


産業廃棄物の委託契約書とは


産廃の処理は「委託契約書」がないとスタートできません。


契約書は紙でも電子でも構いませんが、法定記載事項が揃っていない場合は契約として成立していない扱いになることがあります。


≪委託契約書に必ず記載すべき内容≫


  • 排出事業者・収集運搬業者・処分業者の情報


  • 委託する廃棄物の種類(品目)


  • 収集運搬のルート


  • 処分方法


  • 委託料金


  • 契約期間


  • 再委託の禁止に関する事項


特に「産業廃棄物の種類」は誤記載が非常に多く、たとえば「がれき類」と「金属くず」を逆に書いているなど、実務では頻繁に見ます。


契約書と実際の運搬内容が違うと、排出事業者も収集運搬業者も双方が指導対象になるため注意が必要です。


契約書作成の実務ポイント


① 排出事業者がよく間違えるポイント


  • 事業者名が登記通りでない


  • 許可品目と契約書の品目が不一致


  • 契約期間を長くしすぎて更新後の許可と合わなくなる


特に "許可の品目と一致しているか" の確認は、行政調査で必ずチェックされる部分です。


② 収集運搬業者が気を付けるべき点


  • 積替え保管があるのに契約書に記載がない


  • 運搬ルートが実情に合っていない


  • 契約書の控えを取っていない(実務で非常に多い)


契約書は「締結すれば終わり」ではなく、現場の運搬ルールに合っているかが重要になります。


マニフェスト(産廃管理票)の役割


マニフェストは、排出事業者が廃棄物の最終処分までを確認するための管理票です。


紙マニフェストと電子マニフェスト(JWNET等)があり、行政としては電子化が推奨されています。


≪マニフェストに記載すべき基本事項≫


  • 産業廃棄物の種類


  • 数量


  • 排出事業場の所在地


  • 収集運搬業者・処分業者の情報


  • 積替え保管の有無


  • 運搬車両の情報(紙マニフェストの場合)


特に紙マニフェストは記載欄が多く、実務的には「手書きゆえのミス」が非常に多いです。


マニフェストを巡るよくあるトラブル事例


実際に現場でよくあるケースを紹介します。


① 収集運搬業者が許可を持っていない品目を記載


→ これは即アウトです。


契約書を見ずにマニフェストを発行している会社は意外と多く、行政調査で必ず発覚します。


② マニフェストの返送がない


紙マニフェストは最終処分が終わると返送が必要です。


返送が2~3ヶ月遅れている排出事業者は非常に多く、毎年の指導対象の上位です。


③ 積替え保管があるのにマニフェストに記載がない


積替え保管は許可の有無だけでなく、マニフェスト上の記載も必須です。


実務で押さえるべき「運用のコツ」


① 委託契約書とマニフェストをセットで確認する


契約品目・許可品目・マニフェスト品目が一致しているか、定期的にチェックしましょう。


② 電子マニフェストを積極的に利用する


電子化することで、返送管理や記載ミスが激減します。


行政からの評価も高い傾向があります。


③ 変更があればすぐに契約書も修正


品目が増える、収集運搬ルートが変わる、積替え保管を始めるなどの場合は、契約書もマニフェストも必ず合わせる必要があります。


まとめ


委託契約書とマニフェストは、産廃業務の「根幹」と言えるほど重要です。


トラブルの多くが「書類の不一致」から起きるため、日常的なチェックと適切な運用が欠かせません。


このシリーズを通じて、収集運搬業者の皆さまが「実務の不安が減った」「現場の改善が進んだ」と実感できるよう、今後も現場で本当に役立つテーマを丁寧に深掘りしていきます。


制度の理解だけでなく、「なぜその運用が必要なのか」「実務ではどこでつまずくのか」といった現場のリアルに寄り添った解説を、今後も続けていく予定です。


今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。


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たまご行政書士事務所

行政書士 前田 礼央

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