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♻️産業廃棄物の種類を行政書士が解説|建設系・製造系・特別管理まで

お世話になっております、行政書士の前田です。


これまでの記事では、産業廃棄物収集運搬業許可の概要や取得の流れ、特別管理産廃の実務までを順に解説してきました。


今回はその中でも基本に立ち返り、「産業廃棄物にはどのような種類があるのか」について、実際の現場感覚を交えながら整理していきたいと思います。


産業廃棄物とは?基本的な定義


産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じる廃棄物のうち、法令で定められた20種類のものを指します。


ここでいう「事業活動」には、工事・製造・清掃・サービスなど、営利・非営利を問わずあらゆる業務が含まれます。


また、「一般廃棄物」との大きな違いは排出主体にあります。


家庭から出るごみは市町村が処理しますが、事業活動に伴う廃棄物(産業廃棄物)は、排出事業者自身の責任で処理することが法律上の原則です。


これを「排出事業者責任の原則」と呼びます。


産業廃棄物の20種類【法定分類】


廃棄物処理法施行令で、産業廃棄物は次の20種類に分類されています。


主なものを挙げると、燃え殻・汚泥・廃油・廃酸・廃アルカリ・廃プラスチック類・ゴムくず・金属くず・ガラスくず・コンクリートくず・鉱さい・がれき類などがあります。


ただし、同じ物質でも発生の原因や性状によって扱いが変わる点には注意が必要です。


たとえば、家庭のリフォームで出たコンクリートくずは一般廃棄物ですが、建設業者の工事現場から出たものは産業廃棄物に該当します。


このように、廃棄物の「中身」だけでなく、「どこで・どのように」発生したかが判断の分かれ目になります。


建設業でよく出る産業廃棄物


建設現場は、産業廃棄物が多種多様に発生する代表的な業種です。


特に多いのは次のようなものです。


  • 建設汚泥(掘削工事などで発生)


  • コンクリートがら・アスファルトがら


  • 木くず(型枠や足場材など)


  • 廃プラスチック類(養生シート、パイプ類など)


  • 金属くず・がれき類


これらの廃棄物は、分別を誤ると混合廃棄物として扱われ、処理費用が跳ね上がるケースがあります。


実務上は、現場単位で「品目別のコンテナやフレコンバッグを設けて分別する」ことが基本です。


また、建設業では廃棄物の排出量が大きく、運搬・処分を委託する際にはマニフェスト(管理票)による管理が義務付けられています。


このマニフェスト制度は、第6回の記事で詳しく解説する予定です。


製造業・サービス業で発生する産業廃棄物


製造業や化学工場などでは、次のような廃棄物が代表的です。


  • 廃酸・廃アルカリ・汚泥(化学反応・洗浄工程から発生)


  • 廃油(切削油・潤滑油・燃料残渣など)


  • 金属くず・プラスチックくず(加工工程から発生)


また、飲食業やクリーニング業、印刷業などのサービス業でも、油分を含む汚泥や溶剤廃液が産業廃棄物にあたることがあります。


一方で、近年ではこうした廃棄物をリサイクル原料として再資源化する動きも進んでいます。


たとえば、廃プラスチックを燃料原料に再利用する「サーマルリサイクル」や、金属くずを再溶解して資源として戻す例などです。


特別管理産業廃棄物との関係


前回(第4回)で解説した「特別管理産業廃棄物」は、この20種類の中で特定の有害物質や感染性物質を含むものが対象になります。


たとえば、


・同じ「廃油」でもPCBを含む場合は特別管理産廃


・同じ「汚泥」でも重金属が一定濃度を超えると特別管理産廃


というように、性状・濃度・危険性によって許可区分が変わります。


許可証の上でも、「産業廃棄物」と「特別管理産業廃棄物」は別々に記載されるため、申請の際には区分を誤らないよう注意が必要です。


許可申請・契約・マニフェストへの影響


産業廃棄物の種類は、許可申請・処理委託契約・マニフェスト管理のすべてに影響します。


許可証の「取扱品目欄」に記載されていない種類の廃棄物を運搬・処理することはできません。


実務では、「廃プラスチック類」だけ許可を持っているにもかかわらず、金属くずや汚泥を混載して運んでしまい、無許可営業とみなされるケースもあります。


そのため、許可取得時には実際に扱う廃棄物の種類を正確に把握し、必要な品目をすべて申請することが重要です。


まとめ:廃棄物の種類を正確に理解することが許可実務の第一歩


産業廃棄物の許可実務は、すべて「どんな廃棄物を扱うのか」という分類から始まります。

建設現場・工場・サービス業など、業種ごとに排出物の性質や区分は異なります。

自社で発生している廃棄物の種類を正確に理解することが、


・許可の要否判断


・契約書・マニフェストの作成


・適正処理体制の構築


のすべてに直結します。


現場を理解した行政書士として、許可申請だけでなく、廃棄物分類の整理や申請設計の段階からサポートいたします。


「うちの廃棄物はどの区分に当たるのか?」と迷われた際は、ぜひ一度ご相談ください。


今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。


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たまご行政書士事務所

行政書士 前田 礼央

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