♻️ マニフェストの記載ミスで“多いパターン”と行政対応の実際
- たまご行政書士事務所

- 2025年11月15日
- 読了時間: 5分
お世話になっております、行政書士の前田です。
今回は、産業廃棄物管理の中でも特に指摘が多い「マニフェストの記載ミス」について、実務でよく見かけるパターンと、行政が実際にどこまで確認しているかを解説していきます。
排出事業者・運搬業者・処分業者のいずれにも関わるテーマですので、現場でのリスク管理にぜひ役立てていただければと思います。
マニフェストの役割と、記載ミスが問題化する理由
≪マニフェスト制度の目的(排出事業者責任の担保)≫
マニフェストは、「排出事業者責任を明確にするための証拠書類」です。
処理の流れが適正に行われたかどうか、最終的な処分完了まで“追跡可能な状態”にしておく必要があります。
このため、
・廃棄物の種類
・排出事業場
・数量
・運搬受託・処分受託の日付
など、一つ一つの記載が法律上の意味を持っています。
≪記載ミスが「不適正処理の疑い」につながる仕組み≫
記載が不正確だと、「本当にその廃棄物なのか」「その数量で処理されたのか」「適正ルートで運ばれたのか」といった部分が不明確になり、「不適正処理の疑い」→ 行政調査の対象になりやすいのが実務上のポイントです。
≪行政が重視しているチェックポイント≫
行政職員が立入検査でよく見るのは次の点です。
マニフェストの記載内容と帳簿・明細の整合性
排出事業場の記載が合っているか
廃棄物の種類が適切か
数量に大きなズレがないか
電子マニフェストの登録遅延
「書類は書いてあるけど実態が違う」というケースを最も警戒しています。
現場で多いマニフェスト記載ミスベスト5
① 廃棄物の種類の誤記(汚泥・がれき類・廃プラの混同)
■ よくある誤解(見た目判断・排出現場の伝達ミス)
産廃の種類は“見た目”では判断できないケースが多く、
建設現場で「とりあえず廃プラで」と言われた
排出現場の担当者が詳しくない
などの理由で誤記が起きがちです。
■ 行政からの指摘事例
行政は「処分場の処理方法」と「マニフェストの種類」の整合性を非常に重視します。種類の誤りは、改善命令につながることもあります。
② 数量・容積のズレ(受入量と合わない)
■ 運転手の目安記載 → 処分場での実測とズレる
運搬担当者が積込時点で“目安”で記載してしまい、処分場の計量票と大きくズレるケースがよくあります。
継続的にズレていると、「帳簿管理ができていない」 と判断され、行政指導の対象となることがあります。
③ 交付日・運搬受託日の誤記
■ 排出日と運搬日を混同
排出事業者が交付日を誤って記載し、運搬受託日より後の日付になっていると、当然ながら整合性が取れません。
事務担当と現場担当が分かれている会社で特に多いミスです。
④ 排出事業場の所在地の未記載・略記
■ 本社住所を記載してしまう誤り
排出事業者の本社住所を記載してしまい、実際の排出場所(作業現場等)が書かれていないケースは非常に多いです。
行政は“現場単位”での排出管理を重視しているため、正しく記載する必要があります。
⑤ 電子マニフェストの登録遅れ・誤登録
■ 運搬受託と処分受託の登録順序の誤り
電子マニフェストでは、登録の順番を間違えると「運搬が終わっていないのに処分完了」という状態が発生します。
■ 修正操作の方法を知らない現場が多い
電子マニフェストの操作方法は“担当者依存”になりがちで、修正方法を知らないまま誤登録が放置されるケースもよくあります。
記載ミスが発覚したとき、行政はどう動くのか
≪行政の主な確認方法(立入検査・帳簿照合・処分場からの報告)≫
行政は、定期立入検査、処分場側の報告、苦情対応時の確認などでマニフェスト内容を細かくチェックします。
種類や数量にズレがあると、帳簿・契約書・処理フローまで遡って確認が行われます。
≪行政指導の流れ≫
① 事実確認(事情聴取)
「どういう経緯でミスが起きたのか」を詳しく聞かれます。
② 原因分析(体制・教育の不足)
記載作業の手順や担当者の管理体制を確認されます。
③ 改善命令・文書指導
記載ミスが継続していると、文書指導や改善命令が発出されることもあります。
≪指摘されやすいポイント≫
社内ルールが曖昧、現場と事務の情報共有が不十分、電子マニフェストの登録遅延“体制不備”と判断されると、許可更新時の評価にも影響します。
記載ミスを防ぐための“実務的な”対策
・排出現場での情報整理シートの作成
排出現場であいまいな情報が多いと、記載ミスの原因になります。1枚のシートで「種類」「排出場所」「数量の目安」を整理しておくと非常に有効です。
・運転手向けの“簡易チェックリスト”
運転手は現場の時間に追われがちです。
「積込前に確認する5項目」程度の簡潔なチェックリストが効果的です。
・排出事業者との情報共有ルールの確立
排出側と運搬側で情報が一致していないと、ほぼ確実にミスが起こります。
メール・チャット・書式など統一した方法で情報を渡す仕組みが必要です。
・電子マニフェストの操作研修を最低1回行う
電子マニフェストは“慣れている人だけが理解している”状態になりがちです。
担当者が変わったときのリスクを考えると、年1回の研修は必須です。
・行政書士が関与している現場での改善モデル
私が関与してきた現場では、「種類誤記の削減」「登録遅延の解消」「書式の統一」など、体制整備によってミスが劇的に減るケースが多くあります。
まとめ
マニフェストの記載ミスは「小さなミス」に見えますが、行政は“体制不備の兆候”として非常に重視しています。
ただし、正しいルールの整備と現場の共有体制を作ることで、ほとんどのミスは確実に防ぐことができます。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。
たまご行政書士事務所行政書士
前田 礼央
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