🏗️ 舗装工事業とは?建設業許可の定義・工事範囲・誤解されやすい区分を解説
- たまご行政書士事務所

- 10月30日
- 読了時間: 4分
お世話になっております、行政書士の前田です。
今回は、建設業の29業種のうち「舗装工事業」について詳しく解説します。
「道路のアスファルトを敷くだけ」と思われがちですが、実際の許可区分や技術的範囲は非常に奥深く、長年舗装に携わっている業者様でも誤解されている点が多い業種です。
許可上の定義・工法ごとの違い・他業種との境界を、専門的な視点でわかりやすくご紹介します。
🚧 舗装工事業とは【定義と範囲】
国土交通省の定義によると、舗装工事業とは次のように定められています。
「道路等の地盤面を、アスファルト・コンクリート・ブロック・砂利等で被覆し、交通や利用に適するよう施工する工事」
つまり、「人や車が通行するために地盤を整備し、耐久性・平滑性を確保する工事」が舗装工事業です。
道路舗装だけでなく、駐車場・工場構内・公園園路・港湾エプロンなども範囲に含まれます。
≪舗装工事の主な種類≫
アスファルト舗装工事
一般道路や駐車場などで最も一般的な工法。耐久性と施工性に優れます。
コンクリート舗装工事
大型車両が多い箇所や港湾・工場などで使用。初期費用は高いが長寿命。
インターロッキングブロック舗装工事
景観性が高く、公園・歩道などで多く採用されます。
砂利・砕石舗装、レンガ舗装、樹脂舗装
景観や排水性を重視した舗装。近年は透水性舗装や環境配慮型舗装も増加しています。
これらすべてが、「舗装工事業」の範囲に含まれます。
他業種との境界と誤解されやすい事例
舗装工事業と混同されやすいのが、「土木一式工事業」「とび・土工工事業」「石工事業」「造園工事業」です。
以下の違いを理解しておかないと、許可の取り方や請負範囲で誤りが生じる恐れがあります。
≪土木一式工事業との違い≫
「土木一式工事業」は、複数の専門工事を総合的に管理・施工する業種です。
舗装工事単体で請け負う場合は「舗装工事業」ですが、道路築造一式(排水・擁壁・舗装含む)を総合で請け負う場合は「土木一式工事業」が必要です。
➡ 単独施工なら舗装工事業、総合管理なら土木一式工事業という判断基準が基本です。
≪とび・土工工事業との違い≫
「とび・土工工事業」は、掘削・盛土・地盤改良など、舗装の下地となる“基礎整備部分”を担います。
下地(路床・路盤)を施工するのみで、舗装層(アスファルト・コンクリート等)を施工しない場合は「とび・土工工事業」です。
舗装層を含む場合は「舗装工事業」となります。
≪石工事業・造園工事業との違い≫
石工事業
石畳や御影石舗装など、石材そのものの施工を主目的とする場合。
造園工事業
公園・緑地の園路舗装など、植栽を含めて景観形成を行う場合。
このように、「舗装の目的」と「設計主体」によって業種区分が異なります。
特に公共工事では、設計書上の「工事種別」欄で判断されますので注意が必要です。
実務でよくある誤解・トラブル
⚠️駐車場舗装を「とび・土工工事」と誤って申請
→ 舗装層(アスファルトなど)を施工するなら「舗装工事業」です。
⚠️土木一式の一部を分離して舗装工事業で請け負う
→ 元請工事の構造上、総合的判断・管理が伴う場合は「土木一式工事業」が必要です。
⚠️表層の補修(穴埋め)工事を小規模だからと無許可で実施
→ 補修でも請負金額が500万円(税込)を超える場合、建設業許可が必要です。
舗装工事業の今後の動向
近年は、環境配慮型の「透水性舗装」「再生アスファルト」「低騒音舗装」など、技術革新が進んでいます。
国交省でもグリーンインフラ政策の一環として、再生材利用や環境型舗装の評価が強化されています。
これにより、舗装工事業者には、品質管理能力・施工データ管理・ICT導入(i-Construction対応)が求められる時代となっています。
まとめ
舗装工事業は、道路や街づくりの基礎を支える重要な専門業種です。
しかし「とび・土工工事業」や「土木一式工事業」との区分を誤ると、許可の要件を満たさないケースもあります。
特に、発注形態や工事仕様によって区分が変わるため、許可申請の前に自社工事の内容を整理しておくことが非常に重要です。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。
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たまご行政書士事務所
行政書士 前田 礼央
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