🏗️営業所専任技術者の実務経験による証明方法|建設業許可で認められる書類と注意点
- たまご行政書士事務所

- 10月31日
- 読了時間: 3分
お世話になっております、行政書士の前田です。
前回は、営業所専任技術者に認められる資格要件についてお話しました。
今回は、資格を持っていない方でも営業所技術者になれる「実務経験ルート」について、証明の考え方や必要書類をわかりやすく解説します。
実務経験とは?
建設業法上、営業所専任技術者は「資格」または「実務経験」によって要件を満たすことができます。
ここでいう実務経験とは、「請負契約に基づいて建設工事の施工に携わった経験」のことです。
ただし単なる補助作業ではなく、現場の施工管理・職長・作業責任者など、工事全体の技術面に関与した経験であることが求められます。
必要な経験年数
実務経験で認められる年数は、次のとおりです。
一般建設業: 10年以上の実務経験
特定建設業: 原則として資格(1級施工管理技士など)が必要
つまり、資格を持たない方が営業所技術者になる場合は「10年以上の継続的な経験」が必須となります。
この年数は「1業種ごと」にカウントされます。
実務経験を証明するための主な書類
営業所専任技術者として申請する際には、実務経験を裏付ける資料を提出します。
以下のような書類が有効とされています。
≪工事契約書・請求書・注文書・納品書≫
自社または勤務先が施工した工事の記録として最も一般的です。
10年分を揃えることが理想ですが、5〜6年分程度でも他資料と組み合わせて補完可能です。
≪工事写真・現場日報≫
現場で実際に工事を行っていたことを示す証拠として有効です。
日付入り写真や現場作業日報は信頼性が高く評価されます。
≪在職証明書≫
建設会社に勤務していた場合は、勤務先代表者の証明が必要です。
業種・職務内容・在職期間を具体的に記載してもらいましょう。
≪確定申告書(個人事業主の場合)≫
自営業者として建設工事を請け負っていた場合に提出します。
工事内容や取引先が記載された請求書や領収書も添付すると効果的です。
実務経験の「内容」の書き方ポイント
申請書の中では「どのような工事に従事したか」を明確に記載する必要があります。
曖昧な表現では認められないこともあるため、以下のように具体的に記述しましょう。
「工事の種類」「関与した内容」「役職・立場」を記載することが大切です。
よくある認定トラブル
営業所技術者の実務経験では、次のような点で認定が難航するケースがあります。
勤務先が廃業しており、在職証明が取れない
個人事業主だが、契約書や請求書を長期間保管していない
工事の内容がどの業種に該当するか判断できない
このような場合は、複数の資料を組み合わせて証明する方法があります。
たとえば「確定申告書+工事写真+発注書」のように、総合的に経験を裏付けることが重要です。
行政書士に依頼するメリット
実務経験での申請は、資料の不備や説明不足による差戻しが多く、初めての方にとっては非常に手間がかかります。
行政書士に依頼することで、
過去資料からの証拠整理
各工事の業種区分の判定
経験年数の通算チェック
といったサポートを受けることができます。
許可申請のスムーズな進行のためにも、専門家に相談するのが安心です。
まとめ
営業所専任技術者の「実務経験ルート」は、資格を持たない方でも挑戦できる大切な選択肢です。
しかし、証明書類の整合性・経験内容の明確化・年数の裏付けが不可欠です。
建設業許可を見据えて、早めに資料を整理しておくことが成功の鍵となります。


